ヒプマイBL夢独歩「ずっと」

「独歩、大丈夫かー」
「う、ん…」

独歩の肩を持って、やっとマンションにたどり着いた。重いわでかいわで、ふらふらしながらここまで来た。これからは体鍛えないとなあと固く誓う。

鍵を出してもらってドアを開く。そのまま廊下を、独歩を引きずりながら進み。シンプルな部屋に置かれたベットにもたれさせるように彼を下ろす。

「目にクマなんか作っちゃってさ、どんだけブラックなんだよ…」

もはや寝落ちしている独歩。深く刻まれたクマを労わるように撫でていた。
しかし、これからどうするか。もう遅いし、他に泊まる所も検討つかないし、ここに勝手に泊まらせてもらおうかな…。
軽い気持ちで目の下から、今度は頬をつついてみる。起きないかな。泊まる許可くらいは取りたい。

「ナマエ…?」
「ん、起きた?」
「好き…好きだ…ずっと好きだった…」
「寝ぼけてんのか?」

明らかに焦点の定まっていない目。
その前で手を振ってみると、手首を掴まれる。

「独歩?」

顔が近づいてくる、何だろ?と口を開けてる間に、歯が勢いよく当たった。

「いッ…!!」

予想してなかった痛みで叫ぶ。独歩もそれで我に返ったのかなんというか、青ざめ始めている。

「いてー、血ぃ出たかも…」
「ご、ごめっ…!!」

唇あたりに指をあてる。幸いにも血は出ていないようだ。

「寝ぼけすぎだろぉ…いてて」
「ごめ、ん…ごめ…っ」
「わ、そんな泣きそうな顔すんなよ〜、とって食おうとしてる訳じゃあるまいし」

つい、学生時代の癖で頭を撫でそうになった。
独歩がパニックを起こしそうな時によく取る常套手段だった。撫でたら落ち着いてくれたんだよなあ。
昔から変わらない、くるくるした髪に手をつくまでに、冷静になることに成功した。寸前で手を止め、そのまま床に下ろした。
俺ら、29のおっさんだよな…、という現実が!頭に刺さったのだ。
なんとなく目を逸らしていると、その内誰と勘違いしたんだろ、という興味に突き動かされた。もしかして恋人がいるのかも。

「てか誰だと勘違いしたんだよ。同じ会社でいい人でもいんの〜?」
「……いない」
「じゃあ社外?合コンとかで…」
「ナマエ…」